安置期間は24時間以上
遺体の安置場所には自宅、葬儀社または葬儀場の遺体安置所、民間の遺体安置所があります。日本では「死後24時間以内は火葬してはいけない」という法律があり、最低1日以上は安置されます。友引の日があってすぐに葬儀ができない、火葬場が混雑して空いていない、などの理由で安置期間が延びることはよくあります。
葬儀社または葬儀場の遺体安置所は面会時間が制限される場合があります。また、遺体に付き添っていたい、という人のために、葬儀場内の宿泊設備の有無も確認しておきましょう。
自宅に安置する際の注意点と保全
遺体の安置に際しては温度管理が重要です。葬儀場や民間の遺体安置所は温度管理が行き届いているので心配はいりませんが、自宅で安置する場合は冷房で涼しく保てる場所を用意しましょう。ご遺体の保全のためにドライアイスの処置を行います。安置後、葬儀社が行うケースがほとんどです。通常24時間で10kg使用します。夏場や体格の恰幅の良い方などは20kg使用しなければならないケースもあります。
仏式では遺体の向きは「北枕」とし、枕元に簡易的な祭壇の「枕飾り」を設え、訃報を聞いて駆け付けてくれる弔問客のための焼香・礼拝スペースを整えます。僧侶による最初の読経「枕経」も、この枕飾りを前に行います。
自宅に神棚がある場合は、四十九日後の忌明けまで白い布や半紙などで神棚の正面を覆う「神棚封じ」を行います。神道では死を神の力を失わせる「穢れ」ととらえるための慣習です。葬儀社のスタッフなど、穢れの及んでいない家族以外の人が行います。